オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




コバルトブルーの空も、エメラルドグリーンの海も、こうなれば人間全てを拒否してるみたいに思えてきた。


すいません、前に思った浮かれたコトは全て前言撤回です。

今すぐ回れ右して帰っていいですか?


ここにいては危ないぞ~!
そう本能が命じるままに、あたしの体はじりじりと後ずさりながら出口に向かった……

その2秒後に何か柔らかいものを踏んづけてバランスを崩したあたしは、玄関に飾られてたでかい壷にしこたま後頭部を打って。

季節はずれの除夜の鐘みたいな重々しく荘厳なる響きが、館内全ての空気を震わせた。


「煩悩は108つあると言われるが、鐘突きアタマにはやはりそれ以上の煩悩があったか。

おおかた文明生活に慣れきって、こんな場所が嫌で逃げ出したくなったんだろう。
甘く思うな、ナマケモノ。
罰としておまえが毎日の食事を作り、全員分の洗濯をしろ。これは所長命令だ」


ナギの毒舌と唯我独尊ぶりが今度ばかりは耳に痛くて、あたしは何にも言い返せなかった。


やっぱりあたいは苦労するんだね。おっ母さん。