別荘の中は案外すっきりと清掃されていて、すぐに使えるよう整えられていた。
ただ、問題は……。
「この別荘は経費の関係で管理人は原則置いてないんです。
電気もガスも水道も電話も通ってないですし、ケータイも圏外になります。
ですから、お食事は全て竈を使った自炊になりますし、お水も井戸から汲む形になります。
照明はランタンかろうそくを使ってください。
お風呂だけは裏庭に近い場所に天然温泉が湧いてますから、そちらはご自由にご入浴頂いてかまいませんので」
…………
流石に極貧生活を送った事のあるあたしでも、料金滞納で電気を止められた日はあっても、ライフラインが全部ない毎日を送った事はありませんが。
涼花さんの説明に、あたしは全身の力が抜けそうになった。
食事くらいは自炊覚悟で材料は揃えてきてたけど、まさかガスもないなんて。
どっぷりと現代の便利な生活に慣れてる身としては、たぶん相当に苦労するんじゃないかって事が想像出来て。
今からメチャクチャ気が重くなるんですけど……。



