そんな想像をし出すと笑みが浮かんで仕方ない。
「とうとう陽気で頭がやられたか、カニミソアタマ。
おまえの不気味なにやけ顔を晒されるより、ゾンビの顔を観ている方が100000倍ましだな」
旅先でも吐くか、この毒舌オトコは。
大きなシャボン玉がパチンと割られたみたいに、せっかくの気分が台無しになったあたしは、プイッとナギから顔を背けてマモル君に声をかけた。
「マモル君、大丈夫?替わろうか?」
「大丈夫だよ。結構軽いし、それにこういうのはやっぱり男の仕事だから。
女の子にそんな苦労はさせられないよ」
聴きましたか、所長殿。
あたしは心の中でナギに向かって呟いた。
マモル君の手伝いを一切しないアイツには、彼の爪の垢を煎じて100杯位飲ませたいわ。
それに、優しいし。
よく気が利くし。
頼りになるし。
何でも話しやすいし。
あたしに対して失礼な口をきいたりしないし、バカにしないし、家政婦代わりにこき使ったりしない。
同じ男の子なのに、なんでこうも違うんだろ?



