特に痴呆の症状も出なかったし、マモル君の好意に恐縮しながらも、どこか懐かしく嬉しげだったからね。
「あちらは祖母の実家の別荘です。
昭和の初期に建てられたものみたいですが、私たちも忙しく使い道がないので、いつもは他の方に貸し出しているんですよ」
涼花さんが解説してくれた通りに、遠目からは真っ白にまぶしく見えた外観も、近づけば塗装の剥落や壁の傷みも目立ってて。
六角形の屋根はどこかで読んだ小説をイメージさせるけど、別荘という言葉から想像出来るものとはすこし違って見えた。
大きさは個人住宅の2階建てとほぼ同じくらい。
窓の数から見れば、1階に4部屋と2階に6部屋ってところかな。
2階には小さいけどバルコニーまでついてて、しかもそれは海側の方。
きっとそこから見える夕陽や星空なんか、すっごく綺麗なんだろうな。
あ~~部屋を選べたらいいのにな!
もちろん、絹枝さんと旦那さんを逢わせるという最大の目的は忘れてないけど。
けど、ナギはどうしてここを最重要視したんだろ?



