海の色も完璧なエメラルド・ブルーで、他にも深い藍色や水色や群青色。
いろんな青色が絵の具を溶かし込んだように混ざり合って、見る角度を変えると光の加減で微妙に色が変わって見えた。
澄んだ水色の下には極彩色の魚たちが戯れあい、珊瑚礁までがあって。
紺碧の空にくっきりと浮かぶ白い綿雲は気まぐれに形を変えながら、風に乗ってゆっくりと流れてゆく。
白波に砕け洗われる丘陵地の丘の上には、すっかりと青葉が繁った木がひとつ。
名前も知らない赤い大輪の花や、人知れず密やかに花開く黄色い花もそこかしこに咲いていて。
何もかもかつかつとして忙しいこの現代日本にはない、ゆっくりとした別世界の時間が流れているみたいだった。
「私もこうしてゆっくりと来るのは初めてです。
いつもは祖母を連れ戻す為にしか来たことがないので……」
涼花さんはそう言って、小さく笑った。
そうやって涼花さんが笑えるのは、やっぱり絹枝さんの体調がいいからだろうな。
絹枝さんは今、マモル君に背負われてたけど。



