お母さんが徐々に体と心を壊していったとき、不安なあたしを支え励ましてくれた。
小学校の高学年の頃からあたしのお母さんはお母さんじゃなくなってきたから。
あたしは女の子としての成長期の知識を、殆ど静江おばあちゃんに教えてもらった。
あたしは温かく優しくて、時には厳しい。
そんな静江おばあちゃんしか知らないから。
きっとおばあちゃんがおばあちゃんでなくなっていったら、悲しくて居たたまれなくて。
きっと何かしてあげたいと思う。
だから、涼花さんの気持ちは痛いほどによく解った。
あとはお母さんへの悔恨の想いもあったから。
お母さんはあたしが中学校の頃に、心を病んで足が不自由になったから。
あたしは出来る限りの事はしたつもりだけど、涼花さんのような事までしようとは思わなかった。
毎日が大変だったから仕方ない部分もあったけど。
無理してでも、何かしてあげればよかったと思った。
でも、それはこれから出来るよね。



