室内が夕暮れ色に染まった産土事務所は、転がり込んできた男の子…伊藤博君のしゃくりあげる泣き声以外、何にも音が聞こえない。
博君は体格から小学生3年くらいに見えるけど、秋も深まってきてるのに、薄汚れた半袖と半ズボンの体操着しか着てなかった。
事務所を借りた時、ナギは事務所への出入り口として、裏口と階段を増設したんだけど。
博君は裏口まで階段を上ってきたんだろうけど、あたしは全然気付けなかった。
やっぱあたしって、助手としてダメダメ?
こんなんじゃ、不審者が来てもわかんなさそう。
……っと!
今は自己嫌悪に陥ってる時じゃないってば!
ガスコンロのそばで棚からどの飲み物を出そうかと人差し指をさまよわせながら、あたしは肩越しに部屋の真ん中あたりをチラリと見た。
部屋の中央には、あたしが初めて入った時にもあった応接間用のソファーがデンと置かれている。
3人掛けが2対に、1人掛けが1つ。残りは2人掛け。
その3人掛けのソファーにナギと博君がテーブルを挟んで向かい合って座ってる。
博君は体格から小学生3年くらいに見えるけど、秋も深まってきてるのに、薄汚れた半袖と半ズボンの体操着しか着てなかった。
事務所を借りた時、ナギは事務所への出入り口として、裏口と階段を増設したんだけど。
博君は裏口まで階段を上ってきたんだろうけど、あたしは全然気付けなかった。
やっぱあたしって、助手としてダメダメ?
こんなんじゃ、不審者が来てもわかんなさそう。
……っと!
今は自己嫌悪に陥ってる時じゃないってば!
ガスコンロのそばで棚からどの飲み物を出そうかと人差し指をさまよわせながら、あたしは肩越しに部屋の真ん中あたりをチラリと見た。
部屋の中央には、あたしが初めて入った時にもあった応接間用のソファーがデンと置かれている。
3人掛けが2対に、1人掛けが1つ。残りは2人掛け。
その3人掛けのソファーにナギと博君がテーブルを挟んで向かい合って座ってる。



