「そうだよね~チカもそう思うよ」
それまで黙ってケーキを食べるだけだったチカも、マリリンの言葉を肯定した。
「チカも今日からトレンドを研究してさ、オシャレになってケンに逢いにいきたいもん。
後でブティック巡り頑張ろうね!」
「その前にチカはその子どもっぽいところを直さなきゃ。
口元にクリームついてるわよ」
会話が2人に移ったから、あたしはなんとなく外の空模様が気になってガラス越しに外を見た。
――その時
あたしの目に信じられない光景が映った。
春だっていうのに、相変わらず黒いコートを羽織ってる姿はイヤでも目に付く。
――ナギが、駅前通りを歩いてた。
すれ違う女性が老若問わずに振り向いてる。
でもその後には、明らかにみんな一様に落胆した顔をしてた。
それもその筈で。
ナギの隣には
見たことのない女性がいたから。
横顔で遠目にしか見えないけど、マリリンや命さんよりも遥かに美人で。
そして、大人の女性だった。



