「ユリとチカから聴いたわよ、あんたの気持ち。
あたしもあんたの気持ちはこうだって決めたくはないわ。
お互いに離れがたい絆があるってことも認める。
だけどね……。
だからって、いつまでもそばにいられるなんて保証は何もないのよ?
相手は日本で屈指のグループ企業を率いる名家の次期当主。
各国の首脳や王室なんかともプライベートなお付き合いもあって、日本経済のみならず世界中の経済や政界に強い影響力を持つ財団の総帥になる人。
キャン、それがどういう事かあんたも解るでしょ?
ナギ君も今は高校生だから、比較的自由に振る舞えてるのかもしれないけど……。
テレビで見たあの演説めいたお話を聴く限り、彼は次期当主の自覚は十分にあって、それなりの覚悟も教養も視点も持ってる。
そんな人の側に女性が居ようとするなら、生半可な覚悟と並大抵の努力じゃ無理ってコトよ。
あの人はひとりの女性が受け止めるには、大きすぎる器なのかもしれないわね。
それでもキャンは、あの人の側に居たいの?」



