こうしてみると、お母さんの介護を思い出すけど。
お母さんは足が悪くなってから、こんな風に自分から外出しようとなんてしなかった。
それにしても……
おばあちゃんは後ろで結った白髪が少し崩れてるし、着物もあまり手入れされてないのか薄汚れてほつれもある。
体はがりがりに痩せて軽くて。
耳もやっぱり遠いみたいで、あたしが声をかけたときにも3回聞き返されたから。
杖をつく手も枯れ木みたいで一生懸命に力を入れているみたいだけど、体重を支えきれなくてよろめいちゃうみたい。
だからあたしの右肩に体重が掛かってくるんだけど。
一生懸命なのに、自分の思い通りに体が動かせない。
やっぱり悔しいっていうか、もどかしいんだろうな。
お年寄りを邪魔者扱いする人もいるけど、老いれば誰だって体が不自由になってく。
いくら元気を自負してたって、年をとればイヤでも体が思い通りにならなくなる。
お年寄りは邪魔だから外にでるな、ってのは勝手な理屈だよね。



