オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




駅の東側の開けた場所にはバス停やタクシー乗り場があって、そこから階段をのぼれば連絡通路を通って駅に行けるんだけど。


連絡通路へ行くにはコンクリート製の階段を上るしかなくて、スロープやエスカレーターやエレベーターがない。


昭和50年代前半に造られた建築物だから仕方ないかもしれないけど……。

健常者にはどうってことがない階段も、お年寄りや体の不自由な方にはつらい障害になる。


あたしたちがその階段口を横切ろうとした時、階段の前で立ち往生していた着物姿のおばあちゃんがいた。


腰が悪いのかかなり体が前かがみで杖は着いてたし、立っているだけで足が震えてつらそうに見えた。


足が悪いんだ……


遠い病院で入院中のあたしのお母さんも、足が悪くて1人では歩けないから。


あたしはなんだか他人事には思えなくて、おばあちゃんのそばで立ち止まった。


「キャン、どしたの?」

「ゴメン、先に行ってて。10分位したらいくから」


あたしのわがままだから、チカたちを頼るわけにはいかない。