「そうだよ!サッカーの試合が出来るくらいとか、野球の試合が子どもだけで出来るくらいにバンバン産んじゃいなよ!
ケンだって喜んでくれるって」
あたしはマリリンの言葉に便乗して、チカに勢いよく言った。
そうすると……
チカはいきなりうつむいて、モップに入れる力の加減も明らかに優しくなって。
「そりゃあケンとの赤ちゃんは早く欲しいし、子どもは好きだけど……
10人も20人もムリだよ。
チカはせいぜい5人は欲しいなって思ってるだけなんだから」
さっきの勢いはどこへやら。
チカはぼそぼそと小さな声で喋りながら、ちまちまと床を掃除する。
「そんなこと言って。5人だって今じゃ子沢山じゃん」
あたしがチカの肩に手をかけると……
「コラそこ!なにさっきからくっちゃべっとるか!いい加減にしないとグラウンド10周駆け足だぞ!」
体育担当の田中先生から叱咤が飛んできたから、あたしとチカは慌てて作業に戻ったけど。
マリリン1人が悠然とした態度でいたのはさすがだわ。



