「……言いたいことはそれだけか?」



いつになく冷たいナギの声は、あたしの心臓を鷲掴みにするように胸が苦しくする。



……だけど。



あたしはもうナギに会わないつもりだから、キッと顔を睨みつけて怒鳴り続けた。



「まだあるわよ!人を散々バカにしてくれたけど、ナギだってどんなに立派な人間ってのよ!?
少なくとも優れた人間は、あからさまに他人を傷つけたりしないものなんだから!
そりゃああたしはバカだしグズだから、ナギから見ればイライラするのかもしんないけど……
でも、あたしだってあたしなりに一生懸命やってるんだからね!
それなのにナギは認めずにあら探しばっかりして、そんなにあたしをバカにしてあげつらうのが楽しいわけ!?」



だけどナギから返ってきた答えは。



「ああ、楽しいね」



そんな冷淡な答えだったから、あたしは全身から力が抜けてその場で崩れ落ちた。



悔しくて、情けなくて。



白つめ草を握りしめて、涙を流すしかできない。