「バカだね、ジュン。
ウチの気持ちはずっと決まってたんだよ。
初めて会った中学ン時から。
3年変わらないんだよ。
ウチは何が何でもジュンに着いてくよ。
足りない部分があれば補いあえばいい。
ウチら夫婦と親になるんだから。
イヤでもシッカリしてくるから大丈夫。
怖くないっちゃウソだけど。
ジュンと一緒なら平気だよ!
だって世界中でいちばんステキなだんな様だもん」


ジュン君はそのままユリをぎゅうっと抱きしめて、2人は熱いキスを交わした。


よかったけど……


キスって端から見ればスゴく恥ずかしいんだ。





車は6時50分に駅に着いた。


マモル君が待機してくれていて、ユリとジュン君の切符を切るときと発車するホームの場所まで誘導してくれた。

ユリ達が新幹線に乗る直前、あたしはポケットにあった封筒を渡した。

ケンの借金の時に渡しそびれた50万円。

知らない土地に行くなら少しでも多く持っていった方がいい。

あたしはユリたちが去った方にいつまでも手を振り続けた。