あたしのナギへの気持ち……
それはいつの間にか大きくなっていて、大切で。
どんな人に対するものより暖かい。
だけど……
あたしは決めつけたくはない。
紅葉の君の想いが混じっていたとしたら、それはきっと……。
でも、でも違う。
紅葉の君なんて知らない。
御神木さまの記憶でお姿は見たけど、あの人はあたしじゃない。
あたしはあの人じゃない。
今のあたしを成すものは、渚杏子としての人生だから出来たもの。
紅葉の君なんて関係ないよ。
あたしはあたし自身の意志で生きてきたんだから。
男性嫌悪症はつらいけど、これもあたしが生きてきた証し。
1000年前の恋が甦って結ばれた。
それはそれでロマンティックかもしれない。
だけど。
あたしはあたしの意志で、ナギを……
だから。
この大切な気持ちは、簡単に何かと決めつけたくない。
もっともっと時間をかけたいから。



