あたしはもうぐちゃぐちゃで、自分の心の中にある何を出していいのか分かんなくて。
ただただ、バカみたいに涙を流すしかできなかった。
左肩に軽い重みと温かさを感じて、あたしは涙を拭わないまんま視線だけで左手前を見た。
そこにいたのはチカで、あたしの肩に手を掛けながら頷いた。
「キャン、ムリしなくていいんだよ。
ナギ君に対していろいろありすぎて、わかんないんだよね?
まだ恋だとか愛だとか、そんな決めつけしたくないんだよね?
いいんだよ、それで。
キャンの気持ちはよく解ったから。
大切な人なんだよね?
だから、簡単に恋愛とかの枠に填めたくないんだよね」
チカはそう言うと、あたしを抱きしめてくれて。
あたしはこみ上げてくる涙をこらえきれずに、泣きながらバカみたいに頷くしか出来なかった。
何度も何度も。
チカの言うとおりに。
あたしの気持ちが恋だとかなんてわからない。
だけど。
大切な気持ちだから、たったひとつの言葉で括りつけ決めつけたくなかった。



