その晩、あたしの家に訪ねてきたのは。
ユリ本人だったから、びっくりした。
春とはいっても、夜はまだまだ冷えるから。
ユリには唯一の電気暖房のホットマットに腰を下ろしてもらった。
腰とかお腹を冷やしちゃ良くないもんね。
後は毛布で暖まってもらいながら、牛乳を温めてホットミルクを作りテーブルに置く。
「え~~これなん?ブラックコーヒーが飲みたいんだけど……」
文句を言うユリに、あたしはダメだよと強く言った。
「産婦人科の先生からも注意されたでしょ。
嗜好品はなるべく控えなさいって。
今は赤ちゃんの体が出来る大事な時期だから、いろんな点で注意しなきゃなんないんでしょ?」
「でも、ウチ牛乳苦手なんよね~臭くってさ」
「わがまま言わないの!
お母さんが好き嫌いしてたら、子どものお手本にならないでしょ。
栄養も取らなきゃいけないんだから、ちゃんと飲んでから帰ってね」
あたしがガミガミうるさいからか、ユリが眉を顰めてあたしを見る。



