あの夜の事は、あたしだって忘れられない。
世界中の何もかもが溶けていったような、夢のような一夜だった。
だけど……
あの晩はあんなに優しかったナギは、朝からいつも通りの毒舌で。
ナギはあたしにとって何?
あたしはナギにとって何なの?
1ヶ月考えても解らない。
産土探偵事務所は契約更新して、とりあえず2年後の3月末までは賃貸契約を結んだみたい。
相変わらずナギは何も教えてくれないから、博君猫にさり気なく話し合いの場を垣間見てもらったんだけどね。
あの黒猫はミクとあたしが名付け、博君の加藤家で飼われてる。
紅葉の力で自由に合体と分離が出来るようになったから、今では産土探偵事務所の正式な所員として活躍中。
ちなみに勝負に勝ったら望みを叶えると言われたから、あたしは皇家が計画していたレジャーランドと道路の建設計画中止を頼んだ。
それはナギが手を回してくれ、環境アセスメントを実施し、環境省に申請して事業を中止させてくれた。



