……紅葉……?
あたしはその言葉を聴いて、胸が高鳴った。
まさか……
ナギは知ってるの?
あの御神木が語ってくれた伝説と、巡り合わせの話を。
「あの……産土凪さんですよね。
テレビで何度も観ましたけど、実物はもっとステキですね。
あたしはキャン……渚杏子の友人で、三輪美知香(みわみちか)って言います」
……チカは
なんで頬を染めながら、うっとりした顔をして自己紹介するの!?
他の男の子にそんな顔を向けた事なんか一度もないのに……。
「初めまして、産土探偵事務所所長の産土凪です。
アタマにカビが生えたナマケモノの相手は大変でしょうが、今後も見捨てず相手してやってください」
ナギは珍しく愛想良くチカに挨拶すると……
にこやかな笑顔のまま、あたしをずるずると引きずって歩き出した。
「夜電話するからね~!」
チカの叫びは3月の空に虚しく吸い込まれてった気がする。
……ああ神さま、どうかあたしにお慈悲をください。



