――え?


ケンの目……


青い!?


あたしと同じ――。


それを認識した瞬間、あたしは呆然とした。

よく考えれば判るけど、ケンはカラーコンタクトをしてただけ。

だけどそれにしても、あたしと同じ目なんて。


あたしは昔から男の子が苦手。

すぐそばから顔を見るなんて出来ないから、ケンが目をどうにかしても気付かなかった。


幼なじみのケンなら20cmくらい近づいても普通に話せるけど。


身近でない人だとどうしても上手く話せない。


 どうしてなんだろ?


 夢のあの人となら、いくらでも話せるのに。


 朝礼開始を告げるチャイムが鳴って、それでハッとなったあたしは慌てて席につく。


 朝礼が終わって担任の先生が扉から出たあと、もう一人のクラスメイトで仲良しのマリリンが先生とすれ違いざまに堂々と教室に入ってきた。

でも、明らかな遅刻でも先生はチラリと目をくれて肩をすくめただけで、何にも言わずに戻っていった。


 はぁ〜ッ、流石マリリン。視線ひとつで先生を黙らせるなんて!