チョコレートは花びらの形で、周りにはあの種を散らしておいたから。
さよならの意味で。
あたしは恥ずかしくて背を向けながら言い訳をした。
「それ……ナギにあげるつもりで……。
でも、義理なんだからね。自惚れないでよ!
命さんと本当に婚約して、手が届かない人になっちゃうから……って。
寂しくて……苦しくて……悲しくて。
あたしはナギのそばに相応しい人間じゃないから……最後の……さよならを言うつもりで。
だってあたしは……ナギに何にもあげられない。
迷惑ばかりかけて……。
でも……でも。
あたしの心が……
やっぱりあなたのそばにいたいなんて叫んでる…から…!」
ナギは何もいわずに、あたしを後ろから抱きしめた。
……ナギの匂い……
懐かしい香り。
あたしは涙が止まらなかった。
「この種はバラとおまえは知ったようだが、その意味は知っているのか?」
ナギがあたしの耳元で囁くけど、あたしは首を振るだけで精一杯で。
「バラの花言葉は……」



