オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「よって、この婚約はなかったものと思ってくださって結構です。

時代はいつでも変わります。

従来のやり方に捕らわれた感覚だけでは、いつかこの日本は国際的に取り残されてゆく事でしょう。
さして資源もない日本が国際的に生き残るには、人……人間を活かす他に術ははない。

そのためにまず我が産土本家は、人を主役とした新たな事業を興し、環境に十分配慮した施設を作ります。

民間の国際交流を推進し、確かな技術を持つ技術者を育て、優しい心を持つ子どもを育てる学校を作る。
子どもは将来日本を支える大切な宝ですから、少しでも資質を高めておくのは損ではないはずです。

それから、国内畜産業や農林水産業の振興を。
国内の食糧自給率は年々下がってゆくばかりですから、これを振興する事業も興します」


ナギが演説を終えると、どこからか小さく拍手が聞こえてきたと思えば。


どおっと大きな拍手が沸き起こった。


あたしは嬉しくて涙が出てきた。


婚約がどうこうよりも、ナギの受けた拍手の方が嬉しくて。