「プリムラ·オプコニカは青春の美しさ。
アマリリスは素晴らしく美しい。
フリージアは感受性。
椿は至上の愛を表します。贈った日の誕生日花でもあります」
そう言うと正さんは美絵さんへ歩み寄ると、腰を落として一輪のバラを彼女へ差し出した。
「美絵さん、僕はずっとずっとあなたが好きでした。
今はこんな一輪の花しか贈れませんが……
将来はきっとあなたの部屋を埋め尽くす程のバラを贈れるようになりますから。
僕はずっと、応募作が入選したらあなたに告白しようと。
そのためにずっと頑張ってこられました。
僕には誰よりも清く美しい女性に見えるのです」
正さんの告白は、たぶんありったけの勇気をかき集めてだと思う。
語尾が震えてたから。
「本当にこんなあたしでいいの?あなたより十も上のおばさんなんだよ?」
「年も何もかも僕には関係ありません!僕が惹かれたのはあなた自身なんですから!!」
そう叫んだ正さんが美絵さんを抱きしめると、美絵さんは涙を流しながら繰り返しありがとうと言ってた。



