「史さんを僕は応援したいと思います」
隣にいた小久保正さんはそう言うと、紙袋から茶色い封筒と白いビニールに包まれたものを取り出した。
ビニールを開くと――
出てきたのは、フリージアと椿の鉢植え。
「その鉢植え……まさか……あなたが?」
美絵さんが戸惑い気味に言うと、正さんは彼女を真っ直ぐに見て頷いた。
「はい。今までベランダに鉢植えを置いたのは僕です」
「でもどうして?」
認めた正さんにあたしが呟くように問うと、彼は棚の上にある鉢植えに目をやって口を開いた。
「皆さん、花言葉をご存じですか?」
「ええと……それぞれの花に込められた抽象的な意味の言葉だよね。確か月桂樹が栄光を表すとかいう」
あたしが思い出しながら言うと、ハッと気付いた。
やっとと言うべきかもしれない。
あたしとぶつかった時、あんなに草花に詳しかった正さん。
「パンジーは思慮深い。
ラッパ水仙は生まれ持った資質。
バラは内気な恥ずかしさ」



