オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




棚の上を見たあたしは、ある事に気付いてお2人に訊ねてみると。


「そういえば、今日はないわね」


美絵さんがわざわざベランダまで確認しに足を運んだ時。


玄関のドアが開いた音がしたと思ったら、ぼそぼそと低い話し声が聞こえてきたけど。


この感じは!


間違いない。


弟の史さんの部屋から度々聴こえた声だ!


「史、誰かいらっしゃるの?」


おばさまが廊下に声をかけると、話し声はピタッと止んだ。


しばらく静寂に包まれたけど。


フローリングの床を踏む足音がこちらに近づいてきた。


リズムの違いから、それは2人分あるかな。


しばらくして姿を表したのは、さっき窓辺で会った史さんと小久保正さんだった。


そういえば、史さんはあたしに言いたいことがある……って言ってたっけ。


史さんはさっきの薄汚れたジャージ姿とは違い、ストライプ柄のシャツと綿のストレートパンツ。


小久保正さんはもっときちんとしていて、ネクタイがない軽装とはいえ背広姿で髪もきちんととかしつけられてる。