史さんに言われた通りに、あたしはまず美絵さんにお会いした。
玄関に出たのは確かに美絵さんだったけど。
雰囲気というか、空気と言うか。
彼女の印象ががらりと変わってたのには驚いた。
もともと明るい人だったけど、今まではムリに張り詰めたような印象があって、どこか不安定さが拭えなかったけど。
今日の美絵さんは溌剌としていて、内側からの輝きも明るさに彩りを添えて。
活発で明るい彼女そのものが戻ったような、そんな印象を受けた。
確かにひいき目に見ても顔の造形はすごく美人ではないけれど、彼女自身の輝きがそれを補ってあまりあるような。
十分に美人と言えるんじゃないかな、と思えた。
美絵さんに案内されて居間に入ると。
いつもは敷かれていた筈の布団がなくて、台所に美絵さんのお母さんが立って何か作ってらした姿に驚いちゃった。
「おばさま、お体は大丈夫なんですか?」
あたしが訊ねてみると、おばさまはにっこり微笑んで足を軽く叩いた。
「はい、お陰様でこの通りに元気になりましたとも」



