《ならばなぜ、淡い水色にもなる青き瞳と、不思議を視るに足る力を持つか?
紅葉の君は夕暮れが好きであった。そなたも夕陽は好きであろう?
母君が病がちであったこと。
不遇な少女時代。
父に捨て置かれたこと。成長してからは友を得て……
そして、産土の宮と出逢った》
「確かにあたしは産土家の人間と知り合いましたが、それは……」
《否定はできぬぞ、紅葉の君よ。
同じ蓮の台に生まれ変わると、比翼の枝連理の翼と来世を誓い合ったそなたらは、千年の時を経て再び巡り逢ったのだ。
産土親王の魂は、そなたをやっと見つけ出したのだな。
これで私もやっと安心し眠れる。
産土家がそなたらに委ねられるならば、再びあの清らかで幸せな時が森や生命たちに巡りくるのは間違いない》
御神木さまはそう言うと、最後に一言だけ。
《五の宮には気をつけよ。そやつは前世のこともあり、意地でも想いを貫かんとするだろう》
あたしにそう告げた御神木さまは、七色の球となって永遠に飛びさっていった。



