あたしは心から語りかけた。
還りなさい――
優しい御許へ。
あなたがいるべき場所は、ここじゃない。
新しい道は、未来は、拓けているのだから。
あたしがそう語りかけた刹那。
黄金色の葉っぱは砕け散り、御神木の黒きアプレクターの本体は淡い輝きを纏いはじめた。
その体は数えきれないほどの光の球へと変じ、ふわりふわりと天へ昇ってゆく。
浄化は成功したんだ。
あたしはその光景を目の当たりにした途端に気が遠くなり意識が遠のいていった――
さわさわと聴こえるのは風の音?
波の音にも似たその音は、あたしの体を優しく包み込んで緊張をほぐしてゆく。
頬を撫でる風は少し冷たいけれど、寒くはなくむしろ心地よい。
体の下に敷かれている柔らかな優しいものはなに?
でも、今はただこうして微睡んでいたい。
そんなあたしの思いを、嗄れた声が突き破った。
《起きなさい……乙女よ。私に縁ある少女よ》



