鶯との交感。
子どもたちの成長を見守った喜び。
家族の絆。
大切にされた感謝の想い。
つらかった嵐の日。
雪だるまになった大雪の朝。
花を愛でられ喜んだこと。
秋の果実を食べに来た鳥や動物たちとの語らい。
それぞれの樹には、それぞれの想いや過ごした日々の思い出がいっぱいに詰まってた。
どんな宝物にも勝る思い出たちが。
《おじいちゃん、もうみんなを苦しめないで。ぼくも悲しくつらくなっちゃうよ》
孫の樹らしい枝はそう言った。
そのほんの少し後、葉っぱや枝たちから白きアプレクターが雲霞のごとく現れて、御神木さまのアプレクターを優しく包み込んでいった。
すると。
黒きアプレクターの枝に、黄金色に輝く葉が一つだけ生えた。
あれはもしかしたら。
あたしは以前ナギがしていた事を思い出し、アプレクター本体はじいちゃんや孫たちに任せておいて、その黄金色の木の葉を見つめた。
ナギは武器を使ってたけど、あたしはこの目の力しかないから。



