そうしてあたしは町中で見た記憶を、目を通じて御神木さまに解放した。
死んだ川を清流に戻そうと、毎日汗しゴミを拾い上げ、試行錯誤しながら頑張ってる人たち。
もとの緑なす町へ戻そうと、地質を改善しながら植林を進める人たち。
絶滅の恐れがある種を保護し繁殖に挑む人たち。
ビオトープを作り、子どもたちに自然や生命と触れあわせる人たち。
野鳥や野良猫や野良犬を大切にする人たち。
庭に緑を植えている人たち。
みんなみんな、頑張ってますから。
あなたを伐ったのも森を潰したのも、町の人たちのせいじゃない。
だけど。
みんなはあなたを恨まず、むしろ第二の御神木を育てようと奮闘しています。
あなたはまだ慕われ、大切に想われているのです。
あたしはそういうと、猫たちが集めてきた葉っぱや木の枝などが持つ記憶を、御神木さまに解放する。
ひとつ、ひとつ。
それぞれに、それぞれの優しく懐かしく暖かな思い出が詰まってた。



