村田家であたしたちは話し合い、御神木のアプレクターを浄化するための作戦を立てた。


そのときアプレクターじいちゃんから、博君猫がなぜ毎日町を駆け回ったのか、その目的を聴かされた。


流石は同じ長生きした同朋だわ。


樹には樹の気持ちが解るんだね。


あたしは人間。


だけど……


全然人の気持ちなんか解らない。


ナギと命さんが抱き合う姿を思い出すだけで涙するような、ちっぽけさしかなくて。


アプレクターの浄化を開始するのは、お昼を少し過ぎた頃になった。


レインボーハイツから出てみると、相変わらず悪意あるアプレクターの渦で息が詰まりそうになる。


陰の形は以前よりはっきりとしていて、それは御神木の姿そのものだったような、枝ぶりも見事な大樹だった。


だけど、それは蠢くアプレクターで成されたもの。


あたしはまず、御神木さまに届くように祈り始めた。


アプレクターが湧き出し続ける方角は、護符を持ったマモル君に護ってもらう。


そのうちに、博君猫が到着した。