「私たちの娘たちと共に大きくなり、家族の思い出の尽きない大切な樹です。
3人の娘たちもこの樹の種を持って嫁ぎ、それぞれの庭の樹も立派に育ったと聞き及びました。
そして、4人いる孫娘もその樹の種を持ち嫁いだのだと。
まことに御神木さまは幸せを結びつけてくださいます。
私も主人と80まで共に添い遂げられ、嫁いだ娘たちの家庭には大きな不幸もなく、孫たちもそれぞれ無事に成長して。
末永く縁を結ぶ長寿の御神木様がなくなってしまったのは、残念な気持ちです
。
私だけでなく、町の皆がそう考えているようで。
そのために御神木の種から成長した樹を株分けし、新たな御神木をと頑張ってらっしゃるみたいですが」
あのボランティアの人たちの話と、瑠璃さんのお話しがやっと繋がった。
もちろん自然を戻したいという思いもあるけれど、地元の人たちは今でも御神木は重要な存在なんだ。
今では見捨てた産土本家と違い、本当に敬って大切に想ってる。
この熱い想いをあたしは御神木に伝えたいと強く思った。



