ナギはどうして、村田家の件を手掛けようとしなかったんだろう?
ナギほどの力があれば、自分のご先祖様が関わった大切な依頼だって判りそうなものなのに。
あたしには、やっぱりナギの心が解らないよ。
それにしても。
産土本家がどれだけ大切に護ってきたか見ても、1000年樹と人との関わりは浅いものじゃない。
他の生命たちと共に泣き笑い怒り……
あたしが思う以上の途方もない長い時間を過ごしてきたんだから。
その想いは、たかだか16年しか生きていないあたしに理解できるものじゃない。
あたしは12日の朝に起きた時、アプレクターじいちゃんと博君猫にそう伝えた。
「あたしはどうやれば1000年樹を鎮められるのか判らないよ。
産土親王さまや紅葉の君ならまだどうにか出来るかもしれないけど」
あたしが弱音を吐くと、アプレクターじいちゃんと博君はなぜか顔を見合わせた。
「杏子お姉ちゃんのお祈りは通じると思うよ」
博君猫がそう言うと、アプレクターじいちゃんも頷いた。



