《わしの善き仲間とは断ずる事は出来ぬのじゃが。
あの者がこの場に善かれ悪しかれ、何らかの影響を及ぼしているとわしは思えるのじゃが》
「あの小久保さんがこの場に影響を?」
あたしにはにわかに信じられない話だった。
あたしには彼からアプレクターの気配なんか微塵も感じなかったし、彼自身からはどちらかの性質か判別できない性格だったから。
とはいっても、いつまでも階段で考えててもらちがあかないから。
あたしとマモル君は村田家をやっと訪れた。
「よく来てくれたわね!さ、上がって。
今ちょうどお昼ご飯を用意できたところなの」
あたしたちが約束より遅れて来たにも関わらず、美絵さんは気持ちよく迎え入れてくれた。
あたしが謝っても、いいのよとまったく気にしない風で。
どうしてかは直ぐにわかった。
寝たきりだった美絵さんのお母さんが、体を起こしてたから。
前は気力と体力を振り絞ってあたしとマモル君に頭を下げたけど、今日は本当に気分が良さそう。
あたしもなんだか嬉しくなっちゃった。



