「子ども時代の美絵さんはどんな感じでしたか?」
「どうって……活発なコだったねえ。
女の子とままごとしたりするより、男の子たちと駆け回って遊ぶ事が多かったから。
そうそう、木登りなんかも得意でねえ。
公園にある樹は全部登ったって自慢げに話してたよ」
これだ!
あたしはそこから切り込んでみた。
「そういえばちらりと小耳に挟んだんですが……
この土地には樹齢1000年と言われた大きな樹があったそうですね。
それだけ長生きだと大きく高くて、さすがに美絵さんも登れなかったんじゃないですか?」
あたしがそう言うと、瑠璃さんは思案げな顔になって、それから手を叩く。
「そうそう!そんな樹もあったわ。
でも、美絵ちゃんが生まれた頃にはもう伐り倒されてたからねえ。
50年くらい前に、工場を作るって話でね。
税収欲しさに市が誘致した工業会社の工場のために、その樹を含め木は伐り倒され池は潰されてね。
その工場はほかの地方で化学物質汚染なんかの原因とか言われてて、あたしたちも反対したんだけど」



