通されたのは濡れ縁がある和室。
小さいけど日本庭園もあって、あたしでもどこか懐かしいと思える雰囲気かな。
瑠璃さんはお茶と和菓子でもてなしてくれた。
「美絵ちゃんとこも気の毒にねえ……
美絵ちゃん自身はいいこなのに、ろくでなし男ばかりに引っかかっちゃって。
お母さんは倒れるし、お父さんは愛人作って蒸発。
お姉さんは破談の上に重い病気。
弟さんは詐欺師に騙されてひきこもりっちゅうやつでしょ?
美絵ちゃんたちは昔よくうちに遊びに来てたからなんとかしたげたいけど、私の助けはいらんと気丈にも断ってきたから。
私もどうしようもないんだけんどねえ。
でも、それだけ責任感があって家族思いって事だから。そこのところはしっかり報告書に書いておくれよ!」
瑠璃さんの迫力にあたしは頷くと、メモを取るふりをした。
コレじゃただの身元調査だわ。
あたしはため息をつきそうになるけど。
どうにかして美絵さんとあの樹を結びつけてお話しを伺わないと意味がない。
そう考えて、なんとか言葉をひねり出す。



