もう何時間経ったのかわからない。
けど、あたしには時間なんてどうでもよかった。
今はできるだけこうして、ナギを包み込んであげたい。
同じ姿勢ばかりで筋肉が強張って足も痺れたけど、あたしはどうでもよかった。
ナギの苦しみに比べたら、これくらいは。
すこし雲が多くなってきたからか、西に傾いた月はほとんど姿が見えなくなって、微かな月光の仄かな明るさも闇に溶け込む。
月を覆ったその雲が切れて、月光が再び地上を照らす。
あたしが月明かりを
ひときわ眩く感じて
目を閉じた刹那――
あたしはいつの間にか、ナギの腕の中にいた。
あたしが心配で顔を上げようとすると
何か言おうとした唇は、彼のそれにふさがれた。
今までにない、長く深いキス。
だけど。
命さんがナギを呼ぶ声がした途端、彼はあたしを離して立ち上がると、一瞥もせずに茂みから出ていった。
まるで何事もなかったように。



