荒い息遣いで途切れ途切れに苦しげに言葉をつぐナギの顔は、月の陰のせいじゃなくて本当に青白かった。
「でも……体がひどかったらどうするの!?
あんたは病人なんでしょう!おとなしく言うことを聞きなさいよ!」
あたしがそう言うと、ナギはふっと苦しげな表情を一瞬だけ緩めた。
「変わらないな、おまえは」
変わらない……
そういえば、以前にもこんな事があった。
あの時はアラビアオリックスを助けた後で、ナギは同じように苦しんでた。
どういう事なの?
あたしは何だか不吉なものを感じたけど、膝に重みがあって考えは中断された。
見れば……
ナギがあたしの膝に、頭をのせていた。
あたしは思わずナギの体をそっと抱きしめた。
「大丈夫だ……こうしていれば治まる……」
ナギは切れ切れの息で苦しいのに、そう言うと瞳を閉じた。
あたしは……
ナギの苦しみが少しでも和らげられるよう。
それが叶わないならあたしがその苦しみの半分を分かつよう祈った。



