命さんの気は博君猫が引いてくれたようで、あたしはそのままそそくさと離れた。
それにしても博君って……
もしかすると美人なお姉さまが大好きなおませさん?
だって、あんなにうっとりした顔をしてゴロゴロと喉を鳴らしてるんだもん。
《羨ましいのう……わしも猫になりたい。あんなに美人の豊かなバストを顔に押し付けても文句も言われん》
あたしはもちろん即刻その場でアプレクターじいちゃんを成敗した。
腕だけでなく全身が紙より薄くペラペラになったアプレクターじいちゃんを引きずりながら、あたしはマモル君を探した。
今日はもうこれといった収穫は望めそうにないし、それにこんな立派なお屋敷にいると気後ればかりで疲れちゃう。
時計は11時近くを指していたから、こんなに遅くまでお邪魔してると失礼だろうし。
あたしはマモル君が向かったハーブ園を目指して歩いてたけど。
雲が出て時々月光を遮るからか、いつの間にか知らない場所に出ちゃった。
薄暗がりの中で目立つのは、寒椿と……。



