《隙ありじゃああ~!たああ~ッち!!》
アプレクターじいちゃんの声と命さんの悲鳴が聴こえてきたのが、ほぼ同時だった。
あたしはそれが聴こえた瞬間にほぼ反射的に体を動かし、あろうことか命さんのお尻を触ったチカンアプレクターじいちゃんを目力で縛り付けた後、その場で100発ほどの蹴りを喰らわせてやった。
「何ですの今のは!?う、後ろから」
流石にお嬢様だけあって、お尻という単語まで使うのを躊躇うんだ。
あたしは紙みたいに薄くペラペラになるまで圧縮したアプレクターじいちゃんの手を持ったまま、命さんに愛想笑いで誤魔化した。
「あ~今のですね。猫が通ってっただけなんですよ」
「で、でも……草を踏み分ける音もしませんでしたし、猫ほど大きな生き物の気配は感じませんでしたわ」
流石に巫女様。やっぱりこの手じゃ無理かなと思ってると。
ガサガサと草が揺れて姿を現したのは、博君黒猫。
博君、ナイスタイミング!
命さんは黒猫がお気に召したようで、装束姿のまま抱き上げて撫で始めた。



