それは一般市民の考え方で、上流階級のお方々はやっぱりあたしたちと感覚が違うのかな?
「なんならここに棲んだら?」
あたしがアプレクターじいちゃんに言うと、じいちゃんはとんでもない!と首を横に振った。
《わしとて同朋と一緒にいたいのは山々じゃが、貴殿に憑いてしもうたからのう。それに……》
伸びそうになった瞬間にあたしは察知し、アプレクターじいちゃんの手に蹴りを食らわしてた最中。
かさりと枯れ草を踏み分ける音がしたから、あたしは慌ててその場で体勢を整え直した。
マモル君かなと考えたあたしの予想は。
「凪さまでいらっしゃいますか?」
静かで滑らかな、澄んだ声で砕かれた。
あたしは慌てて後ずさったけど。
《隙あらば!タ~~ッチじゃ~~!》
アプレクターじいちゃんがあたしのお尻を撫でたから、後ろ蹴りを喰らわしてるうちに逃げる時間がなくなっちゃった。
月光の中で姿を現したのは、月の光より輝かんばかりに美しい。
白装束に身を包んだナギの婚約者である
…皇命さん。



