オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




ナギたちの動向も気になるけど、それよりも現実的な問題があった。


遠井登さん御本人にあたしが探偵事務所の所員だって信頼してもらわなきゃ、依頼以前の問題じゃない。

そうなれば、勝負どころじゃないよ。


でも、バカなあたしは焦れば焦るほど頭には何にも思い浮かんでこなくて、悔しくて情けなくて。


こんなのじゃあ、お話にすらならない。


あたしは惨めな気持ちになって、涙が滲みだしてきた。


そんな時、マモル君があたしの想像もつかないような事を言ってのけた。


「産土所長からは固く秘されておりましたが、実はこの件に関しましては事態の困難さから、所長より二手に分かれ事にあたる提案をされまして。
私どもが遅れてしまった事から、所長は先にご紹介を済まされていたのでしょう。
遠井さまには戸惑われたかと存じますが、こちらの渚が事務所で直にお話をお伺いしましたように、私どもも正式な探偵事務所の所員でございます。
二手に分かれるのはこちらの都合上ですから、依頼料や費用を2倍取るような阿漕な真似は決して致しませんのでご安心ください」