「なにか都合の悪い事でもございましたか?」
対のソファーに腰を下ろした登さんに、マモル君がいきなり切り込んだ。
相手を真っ直ぐ見据えたまま、何ら臆することなく。
マモル君が問いかけてしばらく、登さんは腕を組んだまま思案顔をしてたけど。
マモル君の視線に負けたのか、小さく息を吐いてやっと口を開いた。
「実は先ほどお話ししました先客というのが、『産土探偵事務所』の方だったのです。
お約束した19時より少し前にお越しになりました。
その方々に正式にご依頼をお願いしていましたから、こちらへ来るのが遅くなったのです」
……な。
何ですかそりゃあ!?
「それでは私たちが偽の探偵事務所の者ではないかと、お疑いな訳ですね」
あたしが茫然自失となる前に、マモル君は素早く核心を突く発言をした。
だけど、なんかその訊き方……
すごく失礼にあたるような気がしないでもないんですけど!?
ちょっぴり焦ったあたしをよそに、登さんがあっさりとそれを認めたのは意外。



