「杏子ちゃんの優しい気持ちはとても嬉しいわ。ありがとう。
けど、事の責任は決断した自分たちにあるのだもの。
誰にも頼らずに、私達は私達自身で解決してみせるから」
そこまでいわれては、あたしも引っ込むしかなかった。
やっぱり余計なお世話だったみたい。
とぼとぼと力ない足取りで青緑高校に登校すると。正門前でユリに捕まり、学校裏に連れ込まれた。
それがいつものユリに似合わずすごく乱雑だったから、何かよくない事だとあたしは察せた。
「ケンにまとわりついてる女の正体が判ったよ」
枯れた芝生の上に並んで座った途端にユリはそう切り出したけど、口調も仕草にも苛立ちが滲み出てるから。
あたしは先回りして言ってみた。
「よくない相手だったんだね」
自慢のネイルアートを施した爪を噛んだユリは、あたしを見ずに頷く。
「ウチのダチに探ってもらったんだけど。
あの女、闇金融会社社長のひとり娘の薄香織(すすき・かおり)なんよ!
ケンの家の借金話もマジだって話だし、考えればすぐ判るよね」



