あたしが挨拶をすると、おばさんはなぜか周りを見回し、あたしの背中をぐいぐいと強く押した。
「こんなところでずっと立ってたんでしょ。
まあ、こんなに朝露で濡れて……
風邪を引くから中にお入りなさい」
黒きアプレクターはとりあえずあたしが撃退し、日向家の玄関を潜った。
あたしは中に通されてバスタオルを差し出されたけど。
その手を遮ったあたしは、おばさんに封筒を手渡した。
不思議そうな顔で中身を改めた真樹子おばさんは、札束を見た目を大きく見開いたけど。
そのお金を封筒にしまい、あたしの持っていたカバンに戻した真樹子おばさんは滔々と話してくれた。
「杏子ちゃんも私達の借金話を知ってしまったのね。
確かに夫は幼なじみの借金の保証人になって、蒸発したその人の代わりに借金を肩代わりする形になってしまったけれど。これは、我が日向家の問題。
関係ないあなたにまで迷惑をかけるわけにはいかないわ。
大丈夫、きっと何とかしてみせるから心配しないで」



