オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




「凪さまは幼い頃はそれは活発な方で、わたくしはよく心配致しましたの。
ですがある出来事がきっかけで、凪さまは心を閉ざされるようになりました。
笑顔を見せても、それは作られたもの。
幼なじみのわたくしにはよく判りました。
あの方は確かに誰とも上手くお付き合いなさいますが、それは上辺だけ。
それがわたくしには哀しゅうございました」


でも、と命さんは一度言葉を区切り、見せた表情は……。


「つい最近です。
凪さまはお変わりになり、幼き頃に戻られたかのように心から笑むようになられました。

渚さま、貴女とお会いしてからですわ」


「……え?」


あたしが信じられない思いで間抜けな声を出しても、命さんは笑わない。


むしろ強い光をたたえた目であたしを真っ直ぐに見据えて。


「わたくしは幼き頃より、ずっと凪さまだけを見つめてまいりました。
あの方はわたくしにとってただ一人の御方なのです。
幼き頃よりずっとお慕い申し上げておりました。
ですから、貴女には負けませぬ。
負けるわけにはいきませぬ」