あたしがにじり寄る(といっても影にくっついてるけど)と、アプレクターじいちゃんは珍しく沈黙した後にぽつりと呟いた。
《あれは「王」じゃよ》
「王?なんのこと?」
あたしが理解できなくて問い返すと、アプレクターじいちゃんはため息を着いて話し出した。
《貴殿も承知のように、わし等にはふたつの種類がある。
そのひとつはわしのような清く善き存在じゃ。
わしらはだいたい清浄な空気を持つ大自然……緑が多いほど、その割合は多くなる。
逆に緑が少なく空気も水も大地も汚れた地には、わし等とは対をなす黒き存在が混じることが多い。
白き存在も黒き存在も、もとは同じものなのじゃ。
それが動物であれ、植物であれ、全ての生命の陰につくもの……。
影の主が清らかな思いばかり抱けば白き存在となり、逆に邪な心ばかり抱けば黒き存在となり果てる。
白き存在は幸運を招き入れ、黒き存在は不幸を招き入れるのじゃ。
じゃが……
影の主本体を失った黒き存在は念が強ければ強いほど力を持ち、負の感情に引き寄せられてゆく》



