オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】




路地裏の薄暗いひと気のない場所に入ったとき。
あたしが押さえつけた左手を離したら、籠の蓋が再び持ち上がって黒猫が顔を出し、文句を言い始めた。


「杏子お姉ちゃん、ひどいよ!オレ、頭が潰れるかと思ったんだから!」

博君の声でしゃべる猫……

もとい。

黒猫と合体した博君、もしくは博君と合体した黒猫はそう言いながら、顔全部を籠から出して、あたりを興味深げに見渡した。



産土探偵事務所で起きた博君行方不明事件は、なんて事はない。

博君と猫が合体(というか、猫に博君が入り込んだ)したから、どうりで姿がなかったワケだ。


……と言ったって。


映画か小説じゃあるまいし、人間と異なるものが混じり合うなんて十分非日常なコトなんだけど。


アプレクターじいちゃんが言うには、
博君には陰の同朋の匂いがするから、かつて憑かれたその負の性質の因子と猫に憑いてる陽の性質の因子が触れ合った事により、何らかの反応が起きて混じり合ったのではないか、元に戻すのは難しいかもとのことだった。