この景色に、半年前のあたしは感動すら覚えた。
今でもその鮮やかな感情を覚えてる。
………でも。
なんでだろう?
今のあたしはその景色を見る度に、なんだかひどく虚しくてわびしい気持ちになる。
その景色は、見た目だけの空っぽな美しさ……。
なんだかそんな印象が拭えきれなかった。
たった半年しか経っていないのに、どうしたんだろう?
チカやケンとも何度となく遊びに来て、楽しい思い出もたくさんあるはずなのに。
バスから降り立ってこの街の空気に触れた途端……
息が苦しくなるような窮屈さと、体の力が少しずつ削がれてゆく微かな怖さも感じてた。
何度となく遊びに来た街で、今までこんな事は一度もなかったのに……。
「渚さん、行こうか」
カゴを左手に持ったマモル君に促され、あたしは彼の後について歩き出した。



