急いで博君と猫を見た……。
つもりだったけど。
倒れているのは黒猫だけで、博君の姿がない。
そのことを知ったあたしとマモル君はすぐ外に探しに行ったけど、博君は近場で見つからなかった。
あの一瞬だけでそんな遠くに行けるはずないし……。
とりあえずぐったりとした猫も心配だから、マモル君に診てもらってからソファーに寝かせてバスタオルを体にかけておいた。
マモル君によればちょっとしたショック症状で、直ぐに気がつくとのことでホッとした。
黒猫の様子を見守った30分後――
黒猫はパッチリと目を開け、あくびをして……。
ごく自然に二本足で立ち上がった。
…………
猫が二本足で立つのは珍しくないけど。
二本足で歩くのって、どうなんでしょうか?
そして、猫はあたしの側まで来ると、顔を見上げて。
「杏子お姉ちゃん、今日の晩ご飯はなあに?
オレ、魚も持ってきたよ」
黒猫は猫の姿のまま、博君の声でそう喋ってくれました。



